1.ウイスキー「スプリングバンク」とは?
ウイスキー好きであれば一度は耳にしたことあるであろう、「スプリングバンク」。しかし、スプリングバンクとは一体どんなウイスキーなのかよくわからない、という人も少なくはないかもしれない。
まず、スプリングバンクというスコッチウイスキーについての見識を深めていき、徐々にその価値の高さを確認していきたいと思う。
スプリングバンクについて
スプリングバンクは、キンタイア半島のキャンベルタウン、という土地で造られているウイスキー。
キャンベルタウンの蒸留所の中では、独立資本経営の希有な蒸留所として知られており、そのためか、非常に個性の強い通好みのウイスキーを生み出している。「モルトの香水」と称される風味が特徴だ。
スプリングバンクの歴史と名前の由来
スプリングバンクのあるキャンベルタウンは、400年前からウイスキーが造られている歴史ある土地。同社は、1828年に創業しており、クロスヒル湖を仕込み水として使用している。
スプリングバンクという名前は、蒸留技術のひとつである2回半蒸溜が「スプリングバンク」と言う名であり、それから取られている。
スプリングバンクの味わい
前述した通り、「モルトの香水」と呼ばれるほど、香りの強さが特徴とされている。さらに、数あるシングルモルトの中でも、特に塩味を楽しめることで知られる。
仕込み方法により、塩辛さが勝ったり、豊潤なフルーツ香が勝ったりそれぞれ。ただ、一貫して深淵で複雑性のある、他には無い味わいであることは間違いないだろう。
2.スプリングバンクの買取相場
スプリングバンクの種類、そして価格が高騰している年代などについて伝えてきた。その希少価値の高さは理解いただけたと思う。
では、実際に買取市場ではどの程度の買取価格相場となっているのかも確認していこう。スプリングバンクの種類などに分けて、分かりやすいように提示していく。
スプリングバンクの買取相場について
スプリングバンクの買取相場は、生産量が少ないもの、限定品、そしてオールドボトルなど、あまり流通していないものがやはり高価買取傾向にある。しかし、全体的に高価買取となる銘柄が多いのでチェックしておこう。
【スプリングバンク買取相場】
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●スプリングバンク 12年 陶器ボトル~12,000円前後
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●スプリングバンク 25年~95,000円前後
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●スプリングバンク TEN 10年~2,000円前後
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●スプリングバンク 12年 オールドボトル 青アザミ~40,000円前後
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●スプリングバンク 10年~26,000円前後
(※2018年3月現在)
スプリングバンクの最高価格
スプリングバンクは、正直買取専門店鋪によっても査定が変わってくるため、一概にここが一番高かった、ということが言えない。しかし、総合的に見て行くと、「スプリングバンク50年」は、高価買取価格が付けられていることが多い。
現に、木箱付きであれば50万円以上で売れた実績もあるのだ。販売価格は約60万円ほどにもなる。
さらに、状態が良ければ良いほど、高価買取となるので木箱などの付属品も大切に保管しておこう。
3.スプリングバンクが高価買取になるわけ
数あるウイスキーの中でも、スプリングバンクは高価買取になりやすいウイスキーだ。品質も高く、希少価値も高いことからこの傾向は想像できるが、ほかにも何か理由があるはずだ。
実は、スプリングバンクが高価買取になる理由は数多くある。ここでは、その秘密を紹介していこう。
伝統を引き継いだこだわりの製法
スプリングバンクがユニークなのは、自社にボトリング設備を持っているところや、フロアモルティングを行っているところだ。伝統を守り、全てのフロアモルティングを自社でまかなう珍しい蒸留所なのだ。
さらに、前述したように3種類の蒸留方法でスコッチウイスキーを造っており、このスタイルも曲げることなく、伝統を守り続けている。各設備、樽、蒸留所など、伝統を引き継ぎ続けた変わることの無い味わいを追求し続けているのだ。
映画にも登場したことで人気に
大人の映画に酒はつきものだが、このスプリングバンク。実は、2013年に公開された映画『天使の分け前』に登場していた。その中で出てきたのが、「スプリングバンク32年」であり、あっという間に世界中で話題となり需要が高まったのだ。
ウイスキーの映画で出演した、ということでその味わいと品質、存在感が世界に認められているわけであり、誰もが信頼できる、そんなウイスキーメーカーとして話題となった。需要が高まれば、当然買取価格も高くなるだろう。
4.スプリングバンクの相場高騰中の年代TOP5
スプリングバンクは、世界中で大人気のスコッチウイスキーのひとつ。小さな蒸留所であるが故に生産量も少なく、さらに熟成により、荒々しさが消えていきまろやかになることからも、ヴィンテージものに人気が集まっている。
ここでは、相場高騰中のスプリングバンクについてをランキングで紹介しよう。
1位:液体の芸術品「スプリングバンク12年陶器ボトル」
取手がついた、丸みのあるユニークなフォルムが魅力の陶器ボトルが特徴の「スプリングバンク12年陶器ボトル」。
1970~80年代に流通していたと思われる希少価値の高いアイテムであり、味わいもフルーティーなだけではなく、やや草や粘土質の雰囲気も感じさせる深淵な1本だ。塩辛さがまろやかになり、飲みやすくなっているのも魅力的だろう。
2位:まろやかな味わい「スプリングバンク25年」
大変希少価値の高いアイテムが、「スプリングバンク25年」。
クラシカルなラベルが、寂れた雰囲気のキャンベルタウンの街並の哀愁を感じさせるデザインだ。味わいもこなれており、強烈な香りもフルーティかつ甘みに包括される、絶品となっている。
3位:貴重な味わい「スプリングバンクTEN10年」
スプリングバンクらしい、力強さを塩味を感じさせる1本が、「スプリングバンクTEN10年」だ。色合いも透明感があり、フレッシュな雰囲気すら感じさせる。
強烈な香りがありながらも、口に入れた瞬間にそれらを包み込むような、独特の旨味、香り、樽由来の風味が全てをバランス良くまとめてくれる。スプリングバンクの味わいがよくわかる、定番の1本だろう。
4位:希少価値が高い「スプリングバンク12年オールドボトル青アザミ」
青アザミがプリントされたラベルから希少価値が高さが分かる、人気の1本が「スプリングバンク12年オールドボトル青アザミ」。ブドウやストロベリーといった、赤ワインを彷彿とさせるシャープかつフレッシュな果実香が楽しめる、極上の1本となっている。
やや辛み、塩味も楽しめる、大人な味わいのウイスキーに仕上がっている。
5位:本質に迫る「スプリングバンク10年」
スプリングバンクの特徴をダイレクトに味わえるのが、「スプリングバンク10年」。香水のように広がる香り、そして強烈な塩味、それらを包み込むようなまろやかで奥行きのある風味。全てが、バランス良くまとまっている、スプリングバンクらしさ全開の1本となっている。
今後も、高騰必至のアイテムだろう。
番外編:スプリングバンク リミテッドエディション
25年~50年を6本セットで発売されたスプリングバンクのリミテッドエディション。希少価値の高さから、販売価格・買取価格ともに高価になっている知る人ぞ知るスプリングバンクだ。
もし見かけたら手にしたほうがいいと強く言えるだろう。
5.他にも高額が!?「スプリングバンク」の種類を紹介
スプリングバンクは、貴重な銘柄が多数存在しているが、実は多くの銘柄を持っており、その全ての価格が高騰中である。今、世界の市場を見渡してもウイスキーが大変注目されており、今後もその人気は衰えることはないだろう。
そのため、今のうちにここでスプリングバンクの種類をある程度知っておこう。
スプリングバンクは3シリーズ持っている
スプリングバンクは、冒頭でその蒸留方法のひとつであると伝えた。実は、『スプリングバンク』だけではなく、『ロングロウ』、『ヘーゼルバーン』といった3種類の製造方法のシリーズを持っている。
つまり、それぞれに年代、樽違い、限定品が存在しており、結果的に種類が多くなるわけだ。
スプリングバンクの種類を押さえておこう
では、スプリングバンクの種類を羅列していってみよう。
スプリングバンク
・スプリングバンク10年
・スプリングバンク12年カスクストレングス
・スプリングバンク14年
・スプリングバンク15年
・スプリングバンク21年
ロングロウ
・ロングロウ
・ロングロウ18年
・ロングロウレッドマルベクカスク
・ロングロウ1998シェリー
ヘーゼルバーン
・ヘーゼルバーン9年バローロカスク
・ヘーゼルバーン10年
・ヘーゼルバーン12年
・ヘーゼルバーン13年シェリーウッド
となる。上記以外にも、もちろん種類があり、それぞれに希少価値が高い。
6.スプリングバンクの買取方法
スプリングバンクを売る場合の買取サービス
スプリングバンクを売りたい、と思った人もいるだろうが、どんな買取サービスを利用すべきか、悩まれる人もいるはずだ。まず、スプリングバンクを買取してもらうのであれば、その価値を知り尽くすスタッフがいる、酒買取専門業者がおすすめだ。
そして、汚れや傷、破損などが心配な人は、宅配買取、出張買取という手段もあるので利用しよう。近頃では、メールでの写メ鑑定、LINE鑑定などもあるようなので、お店の人に相談してみると良いだろう。
7.スプリングバンクを売る前に!買取業者比較
スプリングバンクを売る前に業者比較をしておきたいところ。しかし売る業者を比較するには、どのポイントに気を付けるべきか悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。そんな時は、プロに聞くのが一番!
下記の記事でしっかり確認してみてください。
まとめ
今回は、スプリングバンクについて、そして買取価格相場などについてを探求してきた。スプリングバンクは、今後も注目されるであろう、スコッチだ。ぜひ、その動向をチェックし続けよう。
古物商許可証取得。酒類販売責任者。
株式会社ストックラボの鑑定責任者、真贋査定士、及び出張買取責任者。 複数の買取会社でウイスキー・ワイン・日本酒・焼酎・ブランデーなどの幅広いお酒の買取鑑定・査定を行ってきた鑑定士歴7年のエグゼクティブバイヤー。