1.獺祭について
超高級な日本酒としても知られている獺祭。しかし、ちょっとしたチェーン居酒屋でも目にすることができるなど、比較的身近な存在でもある。
一体、獺祭とはどういった日本酒なのだろうか。まず、ここでは獺祭という日本酒についてのあれこれを確認してみよう。
獺祭とは?
山口県岩国市に旭酒造という蔵元がある。そこで造られている酒が、「獺祭」だ。獺祭の特徴は、精米歩合50%を超える手の込んだ純米大吟醸酒だけを揃えており、多くの種類が存在する。
酒造が「獺越(おそごえ)」という地域名にあり、これに由来してこの名がつけられた。
獺祭の歴史
獺祭が有名になったのはここ近年の話だが、実は1990年に獺祭を生み出し、東京進出をしている。200年以上続いていた普通酒を苦心の末捨て、純米大吟醸酒一本で勝負を仕掛けた。
1992年に「磨き二割三分」を製品化し、それが話題に。大吟醸酒ブームにも乗り、日本最高の酒となった。
獺祭の味わい
獺祭の味わいは、一概にコレだとは言いにくい。しかし、共通するのは、余分な雑味を残さない高い精米歩合を採用しているため、すっきりまろやかな味わいとなる。
また、「遠心分離システム」など、最新機器による技術力により、非常にエレガントな飲み口に仕上がっているのだ。
旭酒造株式会社について
旭酒造は蔵元ではあるが、非常に独創的な体制を取っている。200年続く普通種をやめ、獺祭に焦点を絞るところも面白いのだが、米も山田錦以外を使っていない。
海外に通用する酒質にするため、高い精米歩合にもこだわる徹底ぶりだ。また、杜氏制度が廃止されており、全て社員で造る。まさに現代の日本酒蔵なのだ。
2.獺祭の相場高騰中の種類TOP5
獺祭は、話題の美味しい日本酒だ。しかし、その品質の高さ、需要の高さがあれば当然ながら価格は高騰していく。
海外の酒関係者が口を揃えて言うのは、「日本酒は安過ぎる」という声だが、獺祭はそういった慣習を変化させるため、品質相応の価格を設定してきた。結果、ファンが増え、どんどんその価格が高騰している状態なのだ。
ここでは、そんな獺祭の相場高騰中の種類TOP5を紹介しよう。
1位:世界最高峰の日本酒「獺祭 磨き その先へ」
日本酒の最高位が純米大吟醸だが、獺祭には「獺祭 磨き その先へ」という、そのカテゴリの頂点の酒が存在する。徹底した高精米にこだわったこの酒は、精米歩合の比率は明かされていない。
味わいは、二割三分以上に落ち着きがある、洗練された味わいかつ、複雑性もしっかりとある奇跡の酒と言われている。日本酒好きなら、一度は飲んでほしい逸品だ。
2位:技術が詰め込まれる「獺祭 遠心分離 二割三分 1800ml」
獺祭の特徴といえば、遠心分離。1分間に3000回転という高性能マシンで、これにより酒質にバラツキの無い、非常にクリアな日本酒ができあがる。
「獺祭 遠心分離 二割三分 1800ml」は、清廉された味わいが長く続く酒であり、1800ml入っても、飲みきるまで品質が落ちないので安心して飲める酒となっている。
3位:シンプルな旨さ、「獺祭 遠心分離 二割三分 720ml」
遠心分離が採用されている、獺祭らしい1本が、「獺祭 遠心分離 二割三分 720ml」。日本酒によくあつ雑味が一切無い、とにかく美しいの一言に尽きる酒である。
しかし、しっかりとアタックも残すように醸されているため、物足りないということは無い。飲めば飲むほど、その旨味を知れる日本酒となっている。
4位:深みのある味わいに酔う「獺祭 二割三分 720ml」
多くの人が味わったことがあるであろう、「獺祭 二割三分 720ml」。キレイだけではなく、旨味、コク、後味など、「日本酒の旨さ」をバランスよく分配したような酒である。
スッキリし過ぎていないので、奥行きがあり、食事との相性もとても良い。獺祭は物足りない、という方が飲めば必ず印象が変わるであろう、旨味のある酒だ。
5位:仲間と飲みたい華やかな「獺祭 二割三分 1800ml」
一升瓶が今、減少している。しかし、日本酒好きや飲食店にはまだまだ人気であり、良い酒を日常的に飲みたいというニーズは無くなることはない。
「獺祭 二割三分 1800ml」は、旨味、美しさ、そして後味などのバランスの良い酒だが、時間が経っても面白い酒質へと変化してくれる。
じっくり時間をかけていただくことはもちろん、気の置けない仲間と酒を酌み交わす時の主役にしてほしい1本だ。
3.他にもある高く売れる獺祭の種類
価格が高騰中の獺祭の種類をお伝えしたが、これだけが人気があり、他の種類は需要が無いということは無い。
そもそも、普通酒、本醸造、吟醸といった括りがなく、純米大吟醸酒で通している獺祭なので、全てが高級酒だ。
ここでは、他にもある高く売れる獺祭の種類を紹介しよう。
獺祭は豊富なバリエーションがある
「獺祭」というと、何となく数種類程度しか無い印象だが、実はかなりの数が存在する。例えば、「純米大吟醸50」、「純米大吟醸 磨き三割九分」、「発泡にごり酒スパークリング3種」だ。
これらは定番なのだが、よりユニークなものとなると、「等外」と「等外23」、「寒造早槽(かんづくりはやぶね)」、「磨き二割三分 遠心分離 おりがらみ」というものまで存在している。
古酒にはじまり、夏に仕込んだもの、磨き三割九分の槽場汲みなど、非常に10種類以上あるわけだ。その全てが貴重な酒であり、需要が高いため高騰し続けるのだ。
人気が集中している“限定酒”とは?
獺祭には、人気の限定酒がいくつか存在している。基本的には、通年商品ではあるが、日本酒であることからも、1年のうちにある一定期間しか造られていないものも存在している。
例えば、「純米大吟醸48 寒造早槽」などは冬期だけの限定品であり、酒造から直接購入できる人も限られてしまっている。また、年末だけの製品としては”本生おりがらみ”という酒があり、正月限定とされているためレア度が高い。
さらに、「磨き二割三分 スパークリング(X’mas用)」という、クリスマス限定もあるのでこちらも人気。獺祭の限定酒であれば、需要が高まるのは必然だろう。
獺祭はお菓子にもなっていた!?
番外編的な情報だが、獺祭はなんとお菓子にもなっている。
「獺祭 酒粕あいす」やパティスリー モンシェールの「獺祭&堂島クリームショコラ」、「獺祭煎餅」などが良く知られているところだが、人気が集中しているのが、「獺祭ショコラ 」だ。
磨き二割三分を使用したという、驚くべき高級品であり、バレンタインデーの時期には売り切れが続出するという、獺祭きっての人気シリーズとなっている。
4.日本酒「獺祭」の買取相場
まずは買取市場における「獺祭」の買取相場はどの程度のものなのか、知りたいのではないだろうか。
人気の酒であることは間違い無いが、どのような価格で買取されているのかを知ることが、高価買取への第一歩となる。では、早速獺祭の買取価格相場を確認していこう。
獺祭の買取相場について
獺祭は、前述した通り、最高位のアイテムから、日常的にも楽しめる純米大吟醸酒まで幅広い種類が揃っている。
では、実際にどの程度の買取価格相場となっているのか、酒買取りの専門業者であるストックラボの鑑定士による買取相場を確認してみよう。
獺祭 買取相場
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●獺祭 磨き その先へ~18,000円前後
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●獺祭 遠心分離 二割三分 1800ml~10,000円前後
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●獺祭 遠心分離 二割三分 720ml~4,000円前後
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●獺祭 二割三分 720ml~3,000円前後
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●獺祭 二割三分 1800ml~8,000円前後
(※2018年4月現在)
獺祭の買取での最高価格とは?
日本酒は、純米大吟醸酒でも数千円の定価という比較的、手の届きやすい酒類だ。ワイン、ウイスキーに比べると極端に安く、買取価格相場も安いようなイメージがあるが、やはり需要の高い日本酒には高い査定価格がつけられている。
獺祭の場合、やはり「純米大吟醸 磨き その先へ 720ml」がもっとも高額な価格となるが、およそ1万5千円前後が分かっている範囲では最高値だ。
とはいえ、その状態やセットであったり、買取店によっても価格が変動する。
5.獺祭の買取価格が高額になる理由とは?
日本には数多くの希少価値の高い、人気銘柄が存在しているが、獺祭はその中でも非常に人気が高い銘柄だ。
しかし、なぜここまで獺祭が人気となり、高額になっているのだろうか。ここでは、獺祭の買取価格が高額になっているその理由を知ろう。
純米大吟醸のみの生産にこだわる
獺祭は純米大吟醸以外を造らない。以前、普通酒「旭富士」を製造していたが、危機的な経済状況の会社の最後の望みとして、それらを廃止し、純米大吟醸酒「獺祭」1本で勝負に出たのだ。
その姿勢は今でも変わっておらず、旭酒造では純米大吟醸酒以外が製造されていない。徹底した品質管理と最新機器を使うのはもちろん、最高の原料を徹底的に磨き、時間をかけてじっくりと日本酒を造っている。
これが、人気、そして高価買取になる理由のひとつだろう。
生産量が数少ない
獺祭は、レギュラー品であれば案外生産量は多い。5万石、つまり900ℓ(500万本分)製造されているので、超希少という酒では無くなってきた。しかし、それは多くの人に親しんでほしい、という高品質ながらレギュラー酒がメインであり、海外への輸出量も増えたことが要因だ。
最高位のものや、限定品などは、逆に常に稼働しているレギュラー品の製造をストップさせるわけにはいないので、逆に生産数量は激減する。結果、手に入りにくい種類が生まれ、価格が高騰しているのだ。
Tvやあの有名アニメにも登場している
獺祭が有名になった理由は、旨い酒だから、という理由だけではない。旨い酒であれば山ほどあり、日本酒好きにしか浸透していかないだろう。
獺祭が市民権を得たのは、まず酒造社長の桜井氏がテレビ番組の「ほこたて」に出演したりと、数多くのテレビ番組で取り上げられたことも関係する。
さらに、日本のみならず世界でも大人気のアニメ映画「新劇場版ヱヴァンゲリヲン」のキャラクター、葛城ミサトが愛飲する酒としても登場するなど、各方面から注目された。こういった背景も、獺祭が世の中で有名になっていた理由のひとつだろう。
海外でも高評価を獲得している
獺祭は海外でも人気があり、かなりの量を輸出している。東京に出てきたことで成功した獺祭だが、次は世界を狙っており、実際に数多くの三ツ星レストンなどで、獺祭が提供されている。
レストランで獺祭を飲める、となると高所得者がターゲットとなり、結果的に高級酒ということで、セレブたちに愛される酒になる。より高い品質の酒をつくり、それに見合った価格で売っていく。
海外における獺祭のマーケティングが功を奏し、今も尚、世界最高峰のレストランで獺祭が使われ、需要も高くなっているのだ。これも、買取価格高騰のひとつの理由となっているだろう。
6.獺祭の買取方法
獺祭の買取する際のサービスとは?
獺祭は高価買取となる、という理由が分かっていただけたと思う。しかし、一体どこにどのように売るべきか、よくわからないという人もいるだろう。やはり、価値の酒の価値を知る鑑定士に頼まなければ、正当に評価されない。
獺祭の場合は瓶詰めされた高級品なので、持ち込みだけではなく、宅配買取、出張買取という安全な方法を使ってもいいだろう。
ぜひ、どのようなサービスがあるのか、売る前にチェックしておこう。
7.獺祭を売る前に買取業者の比較をしよう
獺祭を売る前には、買取方法はもちろん、どの業者に売るべきかの比較もしておくべきだ。
どんな業者があり、どのポイントで選ぶべきか、事前にチェックしておくと買取がスムーズに進むだろう。
まとめ
獺祭という酒についてや、買取価格相場を確認してきた。日本を代表する日本酒となった、獺祭。ぜひ、売る前に知っておきたいポイントを確認して高価買取を実現してほしい。
古物商許可証取得。酒類販売責任者。
株式会社ストックラボの鑑定責任者、真贋査定士、及び出張買取責任者。 複数の買取会社でウイスキー・ワイン・日本酒・焼酎・ブランデーなどの幅広いお酒の買取鑑定・査定を行ってきた鑑定士歴7年のエグゼクティブバイヤー。