萬膳の買取

萬膳 参考買取価格

萬膳とは？由来と概要

コガネセンガンのフルーティで優しい甘み、華やかに広がるエレガンスな芳香が魅力の萬膳。軽やかでありながら深みとコク、旨味が凝縮した味わいで、往年の焼酎ファンだけではなく女性やライトユーザーからも熱い支持を受けている銘柄です。

プレミアム焼酎と言えば、森伊蔵・村尾・魔王の通称3Mが有名ですが、近年では入手困難な逸品として注目されている萬膳もプラスされ4Mと称されることもあります。

萬膳は鹿児島県霧島市、静寂が包み込む霧島連山の森の奥深くにある万膳酒造で誕生しました。萬膳という銘柄は蔵元と同じ呼び名ですが、萬という文字が異なります。「萬（よろず）」の膳という意味を持つ萬膳は、和洋中と様々な食卓を彩る焼酎というコンセプトのもと造られました。

万膳酒造は大正11年に創業した老舗の焼酎蔵です。その歴史は順風満帆というわけではなく、三代目が亡くなったとき四代目の万膳利弘氏が幼かったために操業を中止し、兼業していた酒店のみを営業していたという時代もありました。

当時万膳酒造で造っていた焼酎・真鶴は隣町の焼酎蔵に委託して造り続けていましたが、焼酎の消費量が低迷していた時代背景の元在庫の山となっていたそうです。

次第に「焼酎蔵を復活させたい」という四代目の想いが芽生えましたが、その気持ちとは裏腹に周囲のほとんどは反対します。そんな中叔父である黒瀬杜氏の名匠・宿里利行氏に師事。約3年間に及ぶ修業の後1999年万膳酒造は復活を遂げました。

宿利氏は四代目から教えを依頼されたとき、森伊蔵酒造に引き抜かれる寸前だったそうです。現在の万膳酒造の生みの親と言っても過言ではない人物ですが、3年間の指導の後亡くなられてしまいました。

現在は五代目として次男の万膳博幸氏が製造に携わり、万膳酒店は長男である万膳尚幸氏により継承されています。尚幸氏は、「今の万膳酒造の味は、叔父さんがつくったんです」と万膳酒造に光をもたらした叔父に深い敬意を示していました。

伝説の杜氏・宿里利行氏の味が堪能できる銘酒・万膳は、時代の大きな変化と運命的な巡り合わせから誕生した奇跡の味とも言えるでしょう。

萬膳の特徴・味

萬膳は、芋焼酎らしい風味と味わいを充分に堪能できますが、芋焼酎独特の強いクセはなく優しい口当たりとスムーズなのど越しのエレガントな芋焼酎です。黒麹は河内菌NK型黒麹、麹米には秋田の銘米ひとめぼれを使い柔らかさと繊細さを兼ね備えた味わいを表現しています。

原材料に用いているコガネセンガンの温かみある優しい甘みに豊かな香りをプラス。さらに、木樽蒸留が生み出すバニラやココナッツの芳香、チョコレートやカラメル、バナナ、蜂蜜、パイナップルなどの芳香が折り重なり、味わいに奥行きと華やかさを添えています。

萬膳の味をじっくり堪能したいときは、深みとコクがダイレクトに味わえるストレートがおすすめです。余韻は芋の風味に加えて木樽の香りと程良い渋みが長くゆっくり続きます。

伸びが良く柔らかい酒質を持つ萬膳は、お湯割りにしても風味と味がしっかりと感じられるため、お湯9：萬膳1の割合でも十分に愉しめる焼酎です。ちなみに万膳酒造の公式サイトでは、ぬるめのお湯割りを推奨しています。

萬膳の希少性・価値​

プレミアム焼酎として知る人ぞ知る萬膳は、マニアや焼酎ファンを中心に熱い注目を集めている銘柄です。買取市場でも相場は安定した高値が継続し、希少性・価値の高い芋焼酎として人気を博しています。

特に高い値段が付いているのは萬膳デキャンタボトルで、中でも高額なのは亥年にリリースされた萬膳デキャンタボトル亥です。クラシカルでモダンなデキャンタボトルが人気を博し、コレクターやボトル目当てのファンも少なくありません。

亥年ボトルはノスタルジックなスカイブルーのカラーが注目され、買取価格も通常の5倍近くまで跳ね上がっています。ちなみに、デキャンタボトルシリーズは内容量が720mlで中身は同じ萬膳です。

萬膳を定価で購入する場合は、指定特約店を探して購入するか、または鹿児島市内か霧島市内の一部酒店に出向いて直接購入するかなど入手方法が限られています。そのため入手困難な銘柄として希少性が高まり、ネット通販やオークションでもプレミア価格で取り引きされるようになりました。近年の焼酎ブームと共に更なる人気を博している萬膳は、今後も一層買取額がアップしていくであろうと思われる逸品です。

萬膳の種類